絶滅危惧種に指定されているインドの『マニプリポニー』が減少傾向に…(時事ニュース)

昨日、毎年マニプールで開催されるポロの国際試合が中止となったことを書いた (リンク)。今回は、このマニプール原産でポロの国際試合でも使われる『マニプリポニー』が減少しているという話題について取り上げたい。






マニプリポニーの減少

マニプールを原産とする体高122-132cm程度のポニー種にあたる『マニプリポニー』は、2013年にインドで絶滅危惧種に指定された。おそらく見た目はモンゴル馬に近いであろう。マニプリポニーは、「マルワリ」、「カティアワリ」、「ザンスカリ」、「スピティ」と並んで、インド5種の”indigenous breed” (在来馬) の1つとして認められている (マルワリについてはこちらの記事をご参照)。

マニプリポニーは北東インドを中心に飼われているが、2003年の調査では1898頭だったのが、現在では1089頭まで減っているそうだ。この20年間で約800頭の減少、年に換算すると40頭ということになる。

減少の主な原因は都市開発で、牧草地が奪われていることだそう。また、ポロは『お金持ちのスポーツ』というイメージがあるであろうが、マニプールでは経済的にそこまで恵まれていない庶民がプレーしている。馬を飼い維持するには、治療、飼料、厩舎の維持等、お金がかかる。更にポロをしようとすると、グラウンドのメンテナンス等は誰が費用負担をするのか…。馬の維持やポロを行う上での政府からの支援はなく、ポロ馬オーナー個人に財務的負担がかかっている。そもそも、絶滅危惧種に指定されていても、それを防ぐ政策がない。

ポニーの数を増やすためにマニプール警視庁は、マニプールにある全ての警察署に騎馬隊を設置することを提案したよう。馬好きの私にとっては嬉しい話ではあるが、これは時代に逆行した提案かもしれない。軍が保有する61st Cavalry (騎兵隊)も、今の時代は馬を使って戦うことがないものの、莫大な費用がかかるということで縮小傾向にある。

最後に…

「マニプール = ポニー」というイメージはある。マニプリポニーの存続には、ポニーやポロを使ってどうやってマニプールに観光客を増やせるかも鍵になるのかもしれない。しかし、昨今のマニプールでの暴動含め、状況は悪化する一方だ。来シーズンこそマニプールに行き、このマニプリポニー達に会ってきたい。

最後まで読んで頂き有難うございました🙏



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