インド生活での素朴な疑問、”Sir”文化について考えてみた

インド生活は毎日がストレス。期待通りに行かないというより寧ろマイナス。そんな中で、女性である私を”Sir”と呼んだり、私宛の”Dear Sir”と書かれたメールを見ると余計苛立ちが増す。そんなインドの”Sir”文化について考えてみた。




“Sir”と呼ばれることへの苛立ち

インド在住者であれば、私が言わんとしていることは分かってくれるだろうが、インドではメールの冒頭は、宛先が女性か男性か関係なくだいたい”Dear Sir”。電話でも一言目にはだいたい”Hello Sir”、女性の声であっても”Sir”と言われ続ける。勿論、”Sir”ではなく”Ma’am”もよく使われるが、特に日本の生活の中で男尊女卑を受けてきたと感じる私にとって、男性扱いされることは余計に腹立たしい。

先日、会社の新入社員で、隣の島の斜め前に座っている女性から、”Dear Sir, Thank you”というメールの返信があった。「私は男性じゃない」と返信したら謝罪があった。彼女は私が誰であるか知らなかったらしい。しかし誰か知った後には相当焦ったようだ笑。

おそらく、”Sir”を頻繁に使っているものの、実際にはどのような状況で使うべきか等、大抵の人はきちんと考えていないのかもしれない。また、”Sir”を使うことがクセになっているのかもしれない。電話で話すと、”Yes Sir”, “True Sir”, “Correct Sir”, “No problem Sir”と、だいたい語尾には”Sir”がひっついてくるか、何か発言するたびに”Sir”が初めに付いてくる。後ろの島で営業が、おそらく話を聞いてくれないお客さんに対して”Sir, Sir, Sir, Sir”を連呼しているのを聞くと気になって仕方ない笑。

“Sir”文化はどこから来たのか

この”Sir”文化がどこから来たのかと考えると、おそらくイギリス統治下での抑圧ではないかと推察する。特にヒンドゥー教ではカースト制度が今でも残っていて、名字を見ればだいたい分かる。インド軍では明確なランク分けがあり、カースト制度含めて明確なヒエラルキーがある文化の中で、上位の人をリスペクトする言葉が浸透したのかもしれない。

また、敬称を連呼するクセは、ヒンディーでBhai (兄弟や男友達を呼ぶ言い方) 等を連呼する文化からも来ているのかもしれない。インドでは呼び名に”ji”を付けて、日本語で言う『さん』に当たるような尊敬を表すヒンディー語があるが、たまにセキュリティガード等からは、”Madam ji”と呼ばれることもある。

インド軍とのポロの試合のリストを見ると、名前に”Col. XXX” (Colonel、大佐)、”Maj. XXX” (Major、少将) と書かれている。初めは何のことか分からなかったが、軍人を表記する際の敬称だ。

最後に…

改めて考えてみると、小さいことに腹を立てるのは良くないとは思いつつ、女性に大してはやはり”Madam”や“Ma’am”を使って欲しい。個人的には”Madam”や“Ma’am”を使われると年配の女性の響きに感じるため (実際にそうだが…)、未だに慣れない厩舎でも年齢や雇用関係を無視して、”Mina Baba!”と親しみを込めて呼んでもらえた方が嬉しい。

最後まで読んで頂き有難うございました🙏



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