野良犬・野犬は嫌われ者!? インド犬の魅力をたっぷり伝えたい！

これまで、インドの動物保護施設について幾つか記事にして、私自身もボランティアフォトグラファーとして動物保護施設の里親募集に貢献出来るような活動を行っていることを言及してきた。動物保護施設と関わる中で様々な苦労を見てきたが、その中の1つとして、『インド犬』はなかなか里親が見つからないということ。今回は、デリーの雑多な街中で野良犬から生まれたAzukiの話と、インド犬の魅力について書きたい。

インドのペット事情

インドは日本と違ってペットの「生体販売」がない。従い、ブリーダーさんから直接犬や猫を買う必要がある。おそらくインドで人気の犬種は、ラブラドール、ゴールデンリトリバー、ジャーマン・シェパード、シーズー、スピッツ、ビーグルあたりであろう。

では、いわゆる『インド犬』はどうであろうか。インドでは”desi dog” (現地/ローカル犬の意味) と言う。インドでも”Chippiparai“や”Himalayan Sheepdog“等のインドのブリード犬も存在するが、ここで言っているインド犬は所謂「野良犬・野犬」と理解頂きたい。インドでインド犬を飼っている人は見なくはないが、やはり『ブリード犬』が人気。私がボランティアをしている動物保護施設でも、インド犬は引き取り先を見つけるのは困難で、保護施設で一生を終えることが多い。従い、出来るだけブリード犬が優先的に引き取り先が見つかるようにSNSで募集の呼びかけを行っている。ブリード犬は保護施設のような場所では長生き出来ないという環境の問題もある。

インド犬の魅力とAzukiの話

ブリード犬に食わべて人気のないインド犬。でも、現地の犬は環境に適しており、肉体的にも精神的にも強く、身体能力も高い。PETAもブログにて、幾つかのブリード犬の遺伝的問題を取り上げ、”Adopt Desi Dog!”という呼びかけを行っていたこともある。記事がこれ↓

犬に限らず馬でもそうだが、インド現地のマルワリやカティアワリという純血種の馬は、サラブレッドでは頭を悩ませられる疝痛やLameness (脚の怪我) の問題を見ることは少ない (マルワリの記事はここ)。要は、悪い言い方をすれば、手がかからず放置しておけるということだ。

インド犬の魅力を紹介するために、私が愛して止まない「Azuki」の話をしたい。私の友人が経営するグルガオンにある乗馬クラブ、Duke Horse Riding Clubに通っていたメンバーが、デリーの激しい交通渋滞の中でうろうろしている一匹の子犬を見つけた。そのメンバーはその子犬を車に乗せ、乗馬クラブに持ってきた。野良犬や野犬を許可なく移動させることは出来ないため、厳密にはこの行為は違法であり、かつ乗馬クラブに置いて行くのはオーナーの許可なくすべきではないが、こうやってこの子犬が暫く乗馬クラブで過ごすことになった。

乗馬クラブに来た時は、この子犬は生まれて1.5～2ヶ月くらいであったと思う。オーナーはどうしようか困っており、引き取り先を見つけて欲しいと依頼された。当時私は馬がジャイプールに居て暇をしていたため、引き取り先が見つかるまで、私が金銭的にも面倒を見るから安心してと伝え、小さくてまん丸の目をしていたこの子犬に日本語で「Azuki」ちゃんと名付け、毎日会いに行った。

違う場所に連れて来られれば、普通はブルブル震えて怖がるはずであろうが、Azukiは全く逆で、乗馬クラブの先住犬に飛びかかって遊んでいた。むしろ遊んでいるというより攻撃的で、大物になるのではないかという予感がしていた。

とっても可愛いAzukiだが、インド犬であるため、月日が経ってもなかなか引き取り先は見つからない。しかし、毎日馬と一緒に過ごし、5～6匹いる周りの野良犬の仲間にも入り、”Barn Dog“としての能力を見せていた。馬がトレイルに出れば必ず付いて出ていき、道端にいる野良犬を小さい体で蹴散らす。いつもだいたい傷を付けて戻ってくるが、その姿は正に戦士でどこら誇らしげ。こんな姿を見ていたオーナーが、結局はAzukiの魅力にハマり、引き取り先を見つけるのをやめた。

乗馬クラブのゲートからアリーナまで1エーカーの広さがあるが、毎度私が乗馬クラブに顔を出すと、バイクの音を聞いた瞬間に猛ダッシュで歓迎してくれる。いつもと違う人が来れば吠えて威嚇する。置いていたカバンを別の人が取ろうとすると威嚇する。私が立てば必ず付いてくる。馬が厩舎のポールを外して出れば吠えて教えてくれる。賢い！

こうして、デリーの雑多で生まれたAzukiは、乗馬クラブの看板犬となった。この乗馬クラブに訪れた時は、Azukiに手の平を見せて欲しい。必ず”High Five”で返してくれる。私がおやつを上げる時に教えたせいで永遠にやってくれる笑。

最後に…

最近の記事で、ブリード犬だとハリアナ州では『連れ去り』が起こることはここの記事で触れた。インド犬であればこんなことは起こらない。日本と一緒で野良犬や野犬は嫌われ者であろう。インドでは野犬や野良犬が放置状態であることも、ここの記事で触れた。そんな野良犬や野犬にお家を与えて欲しい。私もインドで里親となった雑種の愛犬を亡くしているが、またいい出会いがあれば保護犬を引き取りたいと思っている。

最後まで読んで頂き有難うございました🙏