日本人には余り知られていないポロの世界 vol. 5 『移動式のポロ厩舎』

本シリーズvol.1、インドのポロはインド各地で開催されることを言及した。毎月、特定の都市で開催されるため、インドのポロ選手達は民族大移動のように馬と厩舎を移動させながらシーズンを戦う。今回は、インドのポロ選手の移動式の厩舎について紹介したい。




移動式のポロ厩舎 

日本人にとっては、『厩舎』と言えばこんなイメージではないだろうか↓ 

タレントの紗栄子さんが買い取る数年前に行ったNasu Farm Villageの厩舎

しかし、インドのポロ選手にとっての厩舎はこれ↓ 

え?テント?…と思われるかもしれないが、試合が北インド各地で約1ヶ月毎に別の場所で行われ、かつ1人あたり試合に平均6頭持ってくることを勘案すると、試合が行われるポロクラブ内には全てのポロ選手と馬に与えられる厩舎の数などない。従い、インドのポロ選手は、ポロクラブの中にスペースだけ与えられ、”pack & go”できるこのようなテントを設営して馬を管理するのが基本なのだ。このテント型厩舎は、1日で解体して1日で設営することが出来る。 

私の厩舎には、この移動式のテント厩舎を2組持っており (1つはこの写真の10頭用、もう1つは8頭用) 、10頭用の大きなテント厩舎はグルガオンに常設、もう1組はシーズン中は、試合会場のポロクラブ又は試合会場近くのファームに設営する。オフシーズン中や、シーズン中に1ヶ月以上グルガオンに居ることになる場合には、もう1組もこの場所に設営して、1頭あたりがもっと広く厩舎を使えるようにしている。

デリーのシーズン中は、グルガオンの本拠点をベースに、グルガオン⇔デリー間を馬運車で試合のためだけに行き来することも可能だが、馬の負担を考えて、1組を軍施設に常設して、試合が1週間空いた時には馬だけをグルガオンに戻している。軍施設にはパドック等もないため、グルガオンに少しの期間でも戻した方が、馬にとってリラックス出来る環境を与えてあげることが出来るからだ。

写真奥に見えるのがシーズン中に取り外す8頭分の厩舎
設営の様子

 

最後に…

何だか原始的な方法かと感じたかもしれないが、プロとして試合に出ないアマチュアの選手は、ポロクラブの固定厩舎に馬を預けることも出来る。 

最後まで読んで頂き有難うございました🙏



よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする