スリランカ旅行でも人気の避暑地ヌワラエリアにある競馬場、ここの競走馬はどこから来るのか!?

私が過去に駐在していた国、スリランカ。ここもインド同様でイギリス支配下にあったため、国内に1つだけ残っている競馬場がある。スリランカは人口が2000万人程度の小さな島国。そんな島国に沢山馬がいることは想像がつかない。今回は、スリランカの競馬場の馬がどこから来るのか、ということについてシェアしたい。






スリランカの競馬場

スリランカの競馬場がどこにあるかと言うと、コロンボ市内からは車で約5時間かかるスリランカ南部中央部のNuwara Eliya (ヌワラエリヤ) という場所で、名前は”Royal Turf Club“。過去、コロンボ市内にも競馬場はあり、今でも場所は”Race Course Ground”と呼ばれ、スポーツの試合やイベント等が行われている。週末になると”Good Market”と言ってオシャレな出店が集まる週末マーケットになるため、現地在住者や観光客も多く訪れる競馬場跡地だ。

スリランカ駐在時代は、この競馬場跡地の裏手にあるRoyal Collegeという大学の体育館で毎週末バレーボールにも打ち込んだ。

話を戻して、スリランカと言えば、年中常夏でココナッツいっぱいのイメージだが、スリランカの中でも避暑地として人気の涼しい場所が幾つかあり、ヌワラエリヤはセイロンティーの生産地で有名な山脈が続く場所にある。年中涼しく10~20度程度で、暑さが苦手な馬にとっては良い気候の場所に競馬場が残っている。

スリランカの競馬で注意したいのが、日本のようにシーズンになると毎日レースが開催されている訳ではないことだ。これは様々な理由によるが、スケジュールはRoyal Turf Clubのfacebookページで確認したい。ただ、このスケジュール通り開催されるとは限らないため (よく中止になる)、必ず見たい方は、毎年4月に行われる”RTC Governor’s Cup”をお勧めする。これは毎年恒例の一番大きなレースのため、このタイミングに合わせれば確実に見られる。

もう1つ注意したいのが、スリランカで開催される競馬はギャンブルではないこと。私がスリランカに駐在している間にも競馬をギャンブル化する話や動きはあったが、今でも実現はしていないようだ (本記事を書いている2023年9月時点)。因みに、海外の競馬にはオンラインで賭けることが出来る。

スリランカの競馬場の様子

スリランカの競馬場にいる馬たち

次に、スリランカの競馬で使われている馬はどうやってどこから来ているのかという話をしたい。スリランカには、『在来馬』というものがいない。生産牧場もなく、乗馬クラブも限られている。

スリランカ最北端のジャフナにある”Delft Island”という場所に野生化したポニーはいるが、これはもともとスリランカがオランダ領であった時に持ち込まれ、その後イギリスによってこの場所に放置されて野生化した。従い、スリランカの競馬で使われている競走馬は、お隣のインドからサラブレッドが持ち込まれている

しかし、インドとスリランカが陸で繋がっている訳ではないどうやってインドからスリランカへ競走馬を持ってくるかと言うと、『だ。飛行機という選択肢もあるが、インドとスリランカ間でFreighterと呼ばれる貨物機が飛んでいないと難しく、船で運ぶのが一般的だ。

輸入される馬は、インドのチェンナイの輸出検疫期間を経た後、インド最南端の港、Tuticorinという場所で船積みされてコロンボ港まで約10時間かけて渡ってくる。Royal Turf Club自体も、馬の輸送のために20ftコンテナ3本を改造して、1コンテナあたり6頭持ってこられるコンテナを保有している。私が駐在していた時にちょうどニュースになっていた。輸送費は幾らかかるかと言うと、私が居た時は◯千ドルという世界。◯に入る数値は割と低めで、飛行機輸送に比べたらうんと安い。

最後に…

ヌワラエリヤは紅茶生産地として有名で、日本人観光客にとっても人気の場所。4月の競馬シーズンを狙って訪問してみて欲しい。Governor’s Cupではベストドレッサー賞もあるため、スリランカ旅行の記念にどうだろうか。

スリランカの競馬で何度も勝利しているAlcazaba。身体の刻印がインド輸入の競走馬であることを表している。

最後まで読んで頂き有難うございました🙏





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