残忍な愛犬の死 ~ 遺体発見 ~ 第3話

捜索から11日経った2024年5月18日の土曜の朝9時半頃、Ringoは厩舎裏の藪で遺体で見つかった。今回は、その話を書きたい。






Ringoの遺体発見

2024年5月18日の土曜の朝、早朝からSector 49までバイクで走り疲れていた。厩舎で馬達のお世話をして一息ついていたら、厩舎の水を管理していた隣の厩舎のグルームが私の厩舎まで上がってきた。私のグルームと何か会話をしてフェンスを越えてどこかに行った。最年長のグルームに、何かあったの?と聞いたが、分からないということだった。そして数分も経たない内にグルームが戻ってきて、”Mina ma’am, Ringo body!” と言った。

心臓が震えた。

プレートが入った足では若いグルーム達のように2m以上のフェンスをよじ登れず、パドック裏から遠回りして走って現場に向かった。現場に着くと、Ringoの首がそこにあった。口がへちゃけて乾燥していたが、首の模様からして明らかにRingoだった。首のすぐ近くには鈴が付いたRingoの首輪が落ちていた。首輪は血が乾いた匂いで悪臭、綺麗な明るいブラウンの革が真っ黒になり抜けた毛が沢山付いていた。

見つけてくれたのはポロ場を管理している警備員。今日の早朝にヒョウが走っているのを見たため、朝からパトロールしていた所、見つけたとのことだった。ギロチンになった愛犬を見て、頭が真っ白だった。コーチに電話するもまだザンビアは早朝4時半で電話に出ない。親友に電話してRingoが見つかったことを泣きながら伝えた。セキュリティからは、危ないから戻ってと言われ、最年長のグルームのおっちゃんに厩舎から布を持ってきてもらい、頭をくるんで厩舎に持って帰った。私達が作業する厩舎の中心にあるニームの木の下に埋めることにした。おっちゃんグルームと一緒に土を掘って最後のさようならを言って埋めた。涙が止まらなかった。

それから捜索を手伝ってくれていた各所に電話をして見つかったことを伝える。早朝のフライトで帰ってくるポロ仲間のおっちゃんとは夕方に発見場所に一緒に行こうと約束した。後から気づいたが、朝は頭が真っ白になっていて、体を探さなきゃという所まで頭が回らなかった。

そして夕方、おっちゃんと厩舎裏の藪に入った。首が見つかった場所をおっちゃんに教えると、おっちゃんに、体ここにあるじゃん!と言われた。頭があったすぐ後ろの枯れ木の下にあった。足は殆ど残っていなかったけど、左足後肢だけ残っていて、明らかにRingoのかわいいもっちりした足だった。体も厩舎に持ち帰って、頭の近くに埋めた。ほとんど骨と皮しか残っていなかったけど、ずっしり重かった。Ringoが帰ってきてくれた、と思った。

発見場所は、ヒョウの仕業ならここしかないと何度も何度も歩いた場所だった。不思議。ブーゲンビリアの根本に大きな巣穴がある場所があり、ヒョウの巣穴ではなさそうであるが、不穏に感じていた場所のすぐ目の前で発見された。おそらくジャッカルや野良犬が引き出したのだろう。

生きててくれなかったけど、ほっとした。絶対に見つけるという想いは通じた。Ringoに何が起こったのか、想像するだけで恐ろしいけど、このまま見つからなくて、今もどこかで生きていると思うよりは良かった。そして、フェンスが壊れていて、夜に1人でもどこでも行ける状態にしていて、守れなかったことについて、ごめんねと伝えた。きっとヒョウが来たことを察知して戦いに行ったのだろう。パトロールしていなくて逃げてたら、生きてくれていたかもしれない。いずれにせよ、完全に私達の落ち度。

Ringoを発見してから現実をなかなか受け止められず辛かった。いつも綺麗なはずの厩舎裏の丘が悪に見えた。Ringoが居なくなってからいろんな動物達が厩舎に現れるようになって、私達を守ってくれてたんだと感じるようになった。Lailaをダニ熱で亡くしてから、今日が私にとっても動物達にとっても最後の日になるかもしれないと余計に思うようになった。だからいろんなことを犠牲にして動物達優先で動いてきた。毎朝厩舎に着いてみんなに『おはよう』を言える幸せ…今後も続けて行く。

最後まで読んで頂き有難うございました🙏



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