インド人弁護士の友人達から、インド刑法が改正されるという話を聞いた。ニュースを調べてみると、施行日は未確定も、2023年12月半ばに国会通過したようだ。私には関係ない話だと思っていたが、私がボランティア活動をする施設が数日前に異議を唱える投稿をしていた。従い、今回はインド刑法改正が動物にもたらす影響について簡単にシェアしたい。
※本記事は個人の知識に基づく限定的なものであるとご認識頂きたい。
インド刑法の改正
今回改正される3つのインド刑法についての纏めは以下。
| 旧法 | 代替 | 新法 |
| Indian Penal Code (IPC), 1860 | → | Bharatiya Nyaya (Second) Sanhita Bill, 2023 |
| Code of Criminal Procedure (CrPC), 1973 | → | Bharatiya Nagarik Suraksha (Second) Sanhita, 2023 |
| Indian Evidence Act, 1872 | → | Bharatiya Sakshya (Second) Bill, 2023 |
改正法はヒンドゥー語となり、外国人の我々にとっては分かりにくくなったが、インド刑法自体、イギリス法を元に制定されたかなり古いものであり、長年大きな改正はなされておらず、実務的には法律が実態に沿わないことも多くあったよう。そんなインド刑法が2023年12月に国会を通過し施行されることになる (日程は現時点で未発表)。
インド刑法改正が動物にもたらす影響
しかし、この改正について意義を唱えている人達もいる。その一部ととしては、動物愛護・保護団体だ。というのが、上記IPCは”Bharatiya Nyaya (Second) Sanhita Bill, 2023″に置き換わることになるが、動物に対する性的虐待行為を犯罪とする重要な条項が除外されてしまうのだ。
そもそも、何それ!? 動物への性的虐待!?と驚くかもしれないが、インドでは動物へのレイプは驚く話ではない。そんなキチガイがインドには存在している。IPCの377条には、動物への強姦は保釈対象とはならない犯罪と見做しており、終身刑または10 年以下の懲役、および罰金も科せられる刑罰が記されている。しかし、置き換わる”Bharatiya Nyaya (Second) Sanhita Bill, 2023″には、この刑罰の条項がないのだ。
PETAは既に異論を唱えており、その記事がこれ↓
最後に…
以前、サイバーストーキングに遭い犯人特定に至った記事を書いたことがあるが (リンク)、刑法は市民にとっても重要な法律だ。特に警察や弁護士側での対応に変更が出てくる。今回の3つのインド刑法の改正は、実務的にどのような影響をもたらすことになるのか、注目が集まっている。
因みに、例えばHit & Runのひき逃げは、これまでは2年の懲役と罰金であったが、今回の改正で10年の懲役となり、罰金も引き上げられる。インドでは、交通事故を起こした場合、ドライバーがその場から逃げないと、周りの野次馬達にボッコボコにされるというのが実態。これはインドあるあるなのだが、そんなインドらしい実態を踏まえ、トラックドライバー達が『逃げないと俺たちがボコボコにされるのに懲役10年は長すぎる！野次馬で集まってボコボコにしてくるやつにも刑罰を与えろ！』と抗議しているようだ笑。
最後まで読んで頂き有難うございました🙏
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