ポロに限らず競技馬にとって、蹄の保護のために蹄鉄をつけることは一般的だ。12歳から乗馬をしている私にとっては装蹄の現場というのは何度も見てきた。
今回は、目から鱗だったインドでの装蹄方法について紹介したい。
日本の一般的な装蹄方法
まず、私が小さい頃から見てきた装蹄方法はこのyou tube動画がわかり易い。簡単には、切って削って焼入れして打ち込む、という作業だが、具体的には、①歩様検査→②挙肢(蹄鉄)検査→③除鉄→④削蹄→⑤蹄形修正→⑥蹄鉄適合検査→⑦焼き付け→⑧釘打ち→⑨釘締め→⑩挙肢&歩様検査を行う。これは昔と変わっていない。
私が小さい頃に通っていた乗馬クラブには、暴れ馬で凶暴だったシャイニングという黒鹿毛のサラブレッドがいた。威嚇されるため馬房に近づくのすら怖かったが、装蹄師さんが来ると180度態度が変わって大人しくなりされるがままだったのが今でも眼に焼き付いている。
インドでの装蹄方法
当たり前かもしれないが、インドでも日本の装蹄方法の流れと変わらない。ただ、多くの乗馬クラブやポロ厩舎に行って気づいたのが、前述⑦の『焼き付け』まで行っている所は少ない、ということ。
焼き付けは、蹄と蹄鉄の密着性を上げるために行われるものだが、ここがスキップされているインドの乗馬クラブやポロ厩舎は多い。私の厩舎では一切の妥協は許されないため、焼き付けが出来る装蹄師を呼んでいる。
インドでの焼き付け方法
冒頭のYou tubeビデオに出てきたように、日本では専用のガスバーナーを使って火を起こすのが一般的だろう。インドはどうかと言うと、これだ
お分かり頂けるだろうか!?
どうやって火を起こしているかと言うと、まずは30cmほど穴を掘り、掘った穴の半分に送風機のノズル部分を埋める。写真では分かりずらいが、ノズル部分が地中に埋まっている。上記写真でおっちゃんが左手で持っているのは送風機のハンドル部分。掘った穴の半分には薪木を入れて、この送風機から空気を送り込んで点火させる。火が消えないようにたまにハンドルでくるくる回して空気を送り込むという仕組みだ。
なんとも原始的ではないか!? でもこれだったら重い専用のガスバーナーを持ち運ばなくても焼き入れが可能となる。なるほど!と思った方法であった。
私がスリランカ駐在時代に通っていたバンガロールのEmbassy International Riding Schoolには、日本のようなガスバーナーの焼入れ機がある。
最後に…
インドで撮影した装蹄作業の写真をアップしておく。
最後まで読んで頂き有難うございました🙏
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