インドでは道路に犬、牛、バッファロー、ヤギ、豚、猿、ラクダ等、いろんな動物が歩き回っている。街中が動物園!といった感じだ。日本とは全く異世界で、人間と動物の共存が感じられる場所。「生きるとは何か」を強く感じさせてくれる場所でもある。
そんなインドの世界を堪能して欲しいと思う一方、動物保護施設でもボランティアをしている私から、インドへの旅行者や在住者への注意喚起として、「野犬・野良犬との接触」についてお話したい。
インドで多い犬の病気や怪我
インドで最も多い犬の病気や怪我としては、①Thick-bone fever (ダニ熱)、②Mange (おそらく日本語では皮癬や疥癬) 等の皮膚病、③Rabies (狂犬病)、④Parvovirus (パルボウイルス感染症) 、⑤Kennel Cough (ケネルコフ) が挙げられる。その他、野犬や野良犬だと怪我をしてMaggot (うじ虫) が寄生していることもよくある。この中で犬から人への感染リスクが高いのは③の狂犬病だろう。
ペットの犬であれば、狂犬病とパルボウイルスのワクチン接種は行っているが、野犬や野良犬はどうだろうか。インドでは沢山動物保護施設があり、”Vaccination Drive”と言って、保護施設が地域を回って野犬・野良犬のワクチン接種を行ったり、病気や怪我のある野犬・野良犬を治療したり、一部の州政府のルールでは、自治体によって自治体が責任を持って野犬・野良犬の管理を行う必要がある。保護施設等がその地域を回っているかどうかは、野犬・野良犬のオス犬が去勢されているかどうか、メス犬が避妊手術を受けて耳の先端が切ってあるかどうかで判断がつく可能性もある。従い、野犬・野良犬の全てが危険という訳ではないが、インドにはどれだけの野犬・野良犬がいてどれだけ管理されているかは未知数だ。
【 犬に取り付くダニ 】
北インドでは、冬の時期以外は野犬や外飼いの犬にダニが付いている日がないという程、ダニとの戦いは毎日の日課だ。過去、ダニ熱のせいで生後4ヶ月の保護犬だった愛犬を失っている。上記写真は私の愛犬と隣の厩舎にいる犬だが、このように耳を見てみると毎日ダニが発見できる。吸血すると身体が膨らみ大きくなる。ダニのうにょうにょする身体が気持ち悪い。因みに、このダニは馬の身体にも這い上がって特に耳の部分で吸血をする。私の脚のスネにも一回付いたことがある。
【 Mangeに感染している犬 】
【 Maggot治療中の犬の足 】
野犬・野良犬との接触で気をつけること
狂犬病のニュースとしてインドでおそらく一番有名なのは、以下のアメリカ人女性がインドで子犬に噛まれて帰国後に狂犬病を発症して死亡したというニュースだろう。野犬・野良犬問題は、外国人旅行者や在住者だけでなく、インド人にとっても深刻な問題だ。
野犬や野良犬は、地元の人達から可愛がられていたり、動物保護施設やNGOの活動だったりで、人懐っこくて可愛い。このハードなインドという地での路上生活で寝ていることも多い。
ただ、上述の通り、野犬や野良犬のワクチン接種状況を旅行者が知ることは不可能で、どんな病気や怪我を持っているか分からない。従い、当たり前ではあるが、いくら可愛くても触らない方が良い。ご飯をあげたくてもあげない方がいい (特に子犬は飛びついてくる可能性がある)。夜に外出する際には特に注意を払った方が良い。というのが三大鉄則であろう。
正直、上記の発言をするのは個人的には辛いと思う反面もある。ただ、私自身、馬に噛まれた時に念のため狂犬病のワクチンを接種したが、病院に在庫が1つしかなかったのと、近くの薬局を探しても見つからなかったという経験があるため、共有しておきたい。
どうしても胸が痛む場合には、動物保護施設へ寄付したり、地域にはだいたいFeederさんと呼ばれる野犬・野良犬にご飯を給配している個人や団体があるため、その方の情報を聞いて寄付する方が無難だろう(悪質な個人や団体もあるので注意しよう)。
インドで有名な動物保護施設はこちら
① Friendicoes: https://friendicoes.org/ *ここは私がボランティア活動している施設の1つでもある。
② People for Animals: https://www.peopleforanimalsindia.org/
③ Animal Aid Unlimited: https://www.animalaidunlimited.org/
最後に…
本記事ではインドに対するネガティブな印象を与えてしまったかもしれないが、インドの街中で出会う動物達の写真を共有しておきたい。
SONYのカメラで撮った野犬・野良犬達
最後まで読んで頂き有難うございました🙏
ブログで使用している写真は投稿者自身が撮影したものであり、特にSONYのカメラで撮影した写真には著作権表記(署名)を付けています。転用される場合には、署名を消さないことと引用元のご記載のご協力をお願いします。 当該
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