残忍な愛犬の死 ~ 難航した捜索活動~ 第2話

今回は第1話の『失踪と捜索活動』の続き、難航した捜索活動について書きたい。






①捜索活動の継続

2024年5月16日 (木)

失踪してから既に10日経っていた。アニマルコミュニケーターからの手がかりを元に、もう一度捜索活動に奮起。ヒンディーでのポスターにも作り変え、厩舎裏の農村地域に詳しい友人が村長や若い男の子たちも巻き込んでくれて、大捜索になった。そうすると、夕方に1件だけ目撃情報が出てきた。厩舎から2kmほど離れたお寺がある道でRingoに似たような犬が人間や車を追いかけていたという目撃情報だった。しかし、足を怪我しており、車が止まって連れて行ったようにも見えたとのことだった。19時からその近辺をマネージャーが再度探し、私は近くの動物保護センター、動物病院、Pet Boardingの施設にも電話するも、この日はインド犬しか救助されていないとのことだった。既に時間は21時を回っていた。

諦めきれない私。厩舎を出てから目撃情報があった場所をバイクで回ってみることにした。女性が夜遅い時間にこの何もない農村を走るのはリスクが高すぎる。しかし、そんなことはどうでも良かった。Ringoは怪我をしているとアニマルコミュニケーターが言っていたため、Ringoがバイクの音を聞いても追いかけられる10kmでの徐行で走った。夜だと雑音もないから音も届きやすい。でも犬1匹も道路にいない。Ringoどこに行っちゃったの…と途方に暮れる。気力が限界だった時、後ろから来たバイク警官2人が止まって、『大丈夫ですか?何かヘルプ必要ですか?』と声をかけられる。Ringoのポスターを見て、犬を探していると伝える。Complaint出したら?と言われだけど、警察は頼りに出来ない。警官には、家すぐそこだからもう帰りますと伝えた。警官が去った後、『私、全然大丈夫じゃない』と思い号泣する。家に着いたら22時を過ぎていた。

2024年5月17日 (金)

この日、友人が捜索を手伝ってくれるということで、休暇を取って朝から厩舎に居てくれた。目撃情報があった場所をもう一度通り、徒歩で厩舎裏の農村を聞き込みに回ってポスターを貼ってもらった。犬が居なくなって探していることを伝えると、『ヒョウだろう』と会う人全員に言われる。厩舎裏の水飲み場でヤギを飼っている家族も、ヤギが何回か持って行かれたと言われていた。ヒョウの可能性は本当にあるのか…信じたくなかった。

灼熱の中、3時間ほど歩いた。左足に大きなプレートが入ったままの私の足も少し痛んでいた。お寺で一休みして、会社のドライバーさんに迎えに来てもらって、近くにある友人の乗馬クラブに行ってポスターをおいてもらってから厩舎に戻った。その乗馬クラブにはRingoの兄弟犬のKasperがいる。Kasperにも、Ringoが居なくなっちゃったことを伝えた。

厩舎に戻った後、友人と協議。このまま物理的に探しても見つかる可能性は極めて低いであろうという結論に至った。代わりに、インスタの広告を出すことにした。

会いに行ったKasper
歩き回った何もない農村エリア

②インスタ広告

インスタ広告はやったことがない。友人からは、ターゲットは半径10kmの男性18歳から32歳で設定すればいいということだけ朝に教えてもらい、家に帰ってからインスタ用の投稿を作り、実際に広告を出してみることにした。しかし、インスタの広告はピンポイントで場所を選択できず(グルガオン市とざっくりのみ)、厩舎がある場所から半径10km以内とピンポイントで設定したい場合には、その場所にいる必要があった。従い、夕方に再度厩舎に戻ってからインスタ広告を出した。ターゲットは予定通り、半径10kmの男性18歳から32歳、向こう3日間の広告で支払いを行い、Ringoの広告がグルガオン中に拡散された。

その日の夜、再度友人が厩舎に来てくれるとのことだったため待っていた。渋滞で大遅刻。20時になっても来ない。そんな時、厩舎で一人椅子に座って半月を眺めていた。この月は唯一Ringoも見えるもの。この月からの不思議なパワーがありそうで、月に向かってこぼれ落ちそうになる涙をこらえながらRingoを探してきて返して欲しいとお願いした。

厩舎で見上げた月

③奇跡が起こる…!?

インスタ広告を出してから数時間経った後、驚く程に数件メッセージや電話が来るようになった。そして、その日の夜遅い時間、1件のDMが入り、Sector 49の警察所の近くでガソスタの裏にあるごみ置き場でRingoらしき犬を見たという情報だった。写真を送って欲しいと言われたため、最新の写真を送ると、『凄く似ていた』と言われた。おそらくまだ帰宅途中であろう友人に電話をして、Sector 49辺りの発見現場を見てきて欲しいとお願いをした。しかし、Ringoは居なかった。

野良犬が活動するのは涼しい早朝。特に朝7時前。この時間には野良犬が車が少ない道路をうろうろしていたり、くつろいでいたりする。諦め切れなかった私は、次の日の朝、ほとんど寝ていなかったが、朝5時半に家を出て発見場所に向かった。野良犬はいるがRingoはいない。それよりも、10km以上離れたここまでRingoが1人で来るというロジックが組めなかった。奇跡は起こらなかった。

次回に続く…

最後まで読んで頂き有難うございました🙏



よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする